飲食店で働いていたらおよそ必ず経験するであろう「クレーム」
誰もがクレームを受けたいとは思っていないけど、クレームとは突如発生するもの
それならばクレームを逆にチャンスに変えてしまいましょう!
といってもクレームなんかあんまり対応したことないのに、どうすればいいのか分からない。クレームをチャンスと思うことなんか出来ない。
今日はそんな方の為に、クレームを受けた時の対応の仕方を
飲食店経験15年(店長経験10年)の私が、経験もふまえて記事にしていきたいと思います。
✔本記事はこんな方に向けて書いています。
- クレーム対応したことがない
- クレーム対応をもっと学びたい
- クレームが発生するとビクビクしてしまう
なかなかクレームは経験することがないものです。
店長がいれば店長が対応するし、大きいクレームは本部が対応する。
私もそうでしたが、実際店長になったときにいきなりクレーム対応をすることになる人も少なくないはずです。
✔逆にこんな方には必要のない記事です
- クレーム対応をいっぱい経験した
- そもそもクレーム対応しないし
- クレームが発生するとワクワクする
そもそもクレーム対応しない人には必要のない記事です。
クレーム対応に自信を持っている方は、そのやり方をつらぬくといいと思います。
なにせクレーム対応は基礎や注意点はありますが、お客様によってさまざまなクレームがあり、これが正解という答えがないからです。
~目次~
1.クレーム対応(電話)
☑お客様の話を聞く
まずはお客様の話をよく聞くようにしましょう。
内容が分からないまま話していると思わぬ誤解を生むこともあります。
まずはしっかりお客様の伝えたいことを理解することが大事です。
☑話すときはしっかり、ハキハキ、大きな声で!
いざクレームを受けると緊張して声が小さくなったり、早口になったり、しどろもどろになったりしてしまうことが多い。
しかしそこは意識してしっかりとゆっくり、大きな声でハキハキしゃべるようにしましょう。
特に電話だともともと相手の声も聞き取りずらいうえ、表情も分からないので意識してしっかりしゃべらないと、さらにお客様を怒らせてしまいます。
☑お客様を気遣う
もし電話の内容が腹痛だったり、異物混入で何か固いものをかんだため歯が痛いなどの場合は、まずはお客様を気遣うようにしましょう。
「お身体大丈夫でしょうか」「口の中切られてはいないでしょうか」など
場合によっては、病院の受診をおススメします。
「心配ですので一度病院の受診をおススメいたします」など
☑メモを取る
電話の最中にメモを取ることを心掛けましょう。
クレームの内容を上司に報告したり、お客様が話された内容を忘れないようにするためです。電話でのクレームの場合、お食事された日付や時間、お客様の名前、電話番号も聞くことを忘れないようにしましょう。
☑謝罪する
これは結構むずかしいのですが、謝罪するとは書きましたが、全て謝罪するのが正しいというわけではありません。
「ん?どういうこと?」と思われたかもしれないので、説明していきますね。
例えば「そちらで食事をした後から、おなかが痛くなった」という内容だったとします。この場合「大変申し訳ございませんでした」と謝罪してしまうと、当店のお食事で腹痛が起きたことを認めますという感じで伝わってしまいます。
私も過去に一度、お店で食事をした後にお腹が痛くなったというお客様に、病院の結果が出る前に謝罪しに行きました。その後病院の結果では私のお店の責任ではなかったのですが、お客様に言われたのが、「謝りに来たんだからそちらが悪いと思ってのことでしょう、病院などの費用全額払ってください」という内容でした。*もちろん払っていません
このように責任の所在が明らかではない時は、「こちらの責任です」や「この度は申し訳ございませんでした」などの言葉は極力使わないようにして下さい。
もちろん、こちらの責任がはっきりしているときはしっかり謝罪するようにしましょう!
☑電話の最後に
クレームの内容の話も終わり、ひと段落付いたら最後は電話を切る時です。
せっかく電話で問題なくクレームが終了しても、最後のツメが甘いとまたクレームが発生するおそれがあります。
最後まで気を抜かずしっかりお客様のことを考えた対応を心掛けましょう。
最後に話す言葉の例です。
「この度は貴重なご意見ありがとうございました。」
「今後はこのようなことのないように、十分注意していきます。」
「本日いただいた内容をもとに、さらなる改善を心掛けていきますので、今後とも私共をよろしくお願いいたします。」
今回私どものいたらぬところをご指摘くださった、お客様への感謝を忘れず伝えるようにしましょう。そして今後は同じことをしない、改善していくなどの内容も話せると良いと思います。
2.クレーム対応でしてはいけないこと
☑話しを聞かずに謝る事しかしない
まずはお客様の話しをしっかり聞いて理解しましょう。
「謝ってばかりいると謝ればすむと思っているのか」と怒られる場合があります。
謝ることは大切ですが、クレームの内容を理解し、適切に謝りましょう。
☑お客様をお待たせしない
クレームの電話がかかってきたときに必ず責任者が電話にでるとは限りません。
スタッフが出て責任者に電話を変わるとき、保留のまま長らく待たせると、よりお客様を怒らせることにつながる場合があります。
折り返し電話を掛けるときも30分~1時間以内には必ず電話をするようにしましょう。
☑言い訳しない
これ意外とやっちゃう人多いです。
クレームになれていないと緊張してとっさに「その時は忙しかったので」「人が足りていなかったので」「本人もわざとではないので」などの言い訳をしてしまうことがあります。
これはお客様からしたら「そちらの都合だろう」とさらに怒りを増幅させてしまいます。
たとえ本当のことだとしても、意識して言い訳しないようにしましょう。
☑お客様の勘違いだった場合でもやさしく対応
あまりありませんが、お客様の勘違いで怒られることもあります。
例えば、
お持ち帰りの商品にはしが入っていないと思ったが、袋の底にあった
お会計が間違っていると思ったが、お客様の計算ミスだった
お客様が間違いに気づかれたら「いえいえ、大丈夫です。お気になさらないでください」や「わかりづらくて申し訳ありません」などお客様を気遣う発言をしましょう。間違ってもお客様を責めるようなことや、態度や口調、雰囲気を出さないように心がけましょう。
☑クレームの大きさを勝手に判断しない、必ず報告する!
クレームは受けたら必ず会社や上司、お店のスタッフと共有するようにしましょう。
クレームに大きい、小さいは関係ありません。
「お客様が怒ってないから大丈夫」
「クレーム対応は問題なく終わった」
「声が聞こえづらかったなんて小さいことだ」
などの判断をしてしまうと、あとあとものすごい大きなクレームに発展することもあります。
私の実例では、
クレーム対応も終わり、お客様も笑顔でまたお店に行きますと言ってくださっていたのですが、後日まさかの怒りの電話がΣ(・□・;)
内容は、「なぜ上司からの謝罪はないのか!」という事でした。
私がクレームは終了したと思い込み、上司に報告していなかったために起きたクレームでした。上司もお客様からの電話で、始めて内容を知ったためその反応にさらにお客様がお怒りに・・・
このように報告するだけで済んでいたことが、取り返しのつかないことになったりしますので必ず報告するようにして下さい!
ちなみに私はその後お客様と上司にこっぴどく怒られたうえ、ひたすら謝り続けるという大変な目にあいました・・・
3.実例
この項目では少しだけ実際にあったクレームを紹介しますね。
お客様「さきほどそちらのお店で食事したのですが、さっきから腹痛がひどくそちらで食べたもののせいじゃないですか?」
私「お客様、この度はご来店ありがとうございました。恐れ入りますが、お名前とご連絡先、お食事された日時を教えていただいてもよろしいでしょうか?」
ここでお客様の情報をメモに書きます。
私「腹痛という事ですが具合は大丈夫でしょうか?お客様のお身体も心配ですので、まずは一度病院で診断された方がよろしいかと思います。」
お客様「絶対そちらで食べたものが悪かったんじゃないか?」
私「申し訳ございません、現段階では原因が当店にあるのか判断はできない為、やはり一度病院での診断をおススメいたします。病院で受診されたのち、もう一度ご連絡頂けますでしょうか?私もお客様からこういったお話があったことを、上司や保健所に報告させていただきますので」
お客様「わかりました、では病院に行った後また電話します。」
私「ありがとうございます、私、〇〇と申します。お客様のお身体が心配ですので、なるべくお早めに病院で受診をされてください。」
この後、病院で私のお店が原因ではないという事でしたと、お客様から連絡がありました。お客様からは謝罪と親切に対応してくれてありがとうと感謝の言葉を頂きました。
全てがこのような結果になるわけではないですが、やはりどんな時もお客様を第一に考え気遣うようにしましょう!心配されて嫌な気持ちになる人はいないはずです。
4.クレーム対応を学ぶ方法
クレーム対応はそもそもクレームが発生しなければ、実践の機会がないためなかなか覚えるのは難しいです。かといってわざわざクレームを発生させて練習するわけにもいかない。
「じゃあどうすればいいんだ」てなりますよね・・・
僕も店舗の責任者になりたての頃、クレームなんて対応したことほとんどなかったので、恐怖でしかありませんでした。
もうスタッフさんが、「お客様がお呼びです」というたびに気分がブルーになっていました。
クレームはその時その時に合わせた対応が必要になりますが、そのための必要な知識を覚えておくことは、いざクレームを受けたときに非常に重要になります。
以下にクレーム対応の知識をつけるのにおススメの書籍を掲載しておきます。
こちらを読んでおけば、クレーム対応の知識もつき、心に余裕も生まれます。
こちらの本は飲食業のクレームに特化した内容になっています。
ほかの業種のクレーム対応について勉強したい方は、こちらの検索から「クレーム (勉強したい業種)」と入力すれば適切な書籍が出てきますので、よかったら調べてみてください。
いざというときのために書籍で勉強し、クレーム対応をしっかり行い、お客様を逆にお店のファンにさせてリピーターを増やしていきましょう!